ウィルは通院等乗降介助の算定が可能です

1.通院等乗降介助とは?

 

通院等乗降介助とは、「介護タクシーを保険で使う制度」です。ここで多くの人が疑問に思うのが、「そもそも介護(保険)タクシーとは何か」ということでしょう。

 

これは、保険者(県など)が指定した、指定訪問介護事業所のタクシーを指します。ヘルパー2級以上の資格を持つ人が運転するもので、乗降の際の介助を受けることができます。また、タクシーのなかには、車いすなどの使用に特化したものがあります。

 

「タクシーを、安い金額で使える」というものではなく、「介護の一環としての利用」である、と考えるとよいようです。

 

 

 

2.通院等乗降介助の対象となる6つの具体例

 

通院等乗降介助は、その名前が示す通り、ごく限られた範囲での利用となります。

 

2-1.病院への通院

 

「通院等乗降介助」のうちのほとんどがこのケースです。病院に、定期的な検査に行くために利用するものです。

 

2-2.公共機関への送迎

 

やむを得ない事情により、公共機関への送迎が必要となる場合のみ使うことができます。

 

2-3.介護保険施設の見学

 

将来的に利用しようと考えている介護保険施設への見学に行く際に利用できることがあります。

 

2-4.選挙のための送迎

 

「病院への通院」に続いて認められやすいのはこれである、と考えられます。日付がわかっており、かつ本人でなければできない行動であるため、通院等乗降介助の対象となります。

 

2-5.預貯金の引き出し

 

頼れる家族などがおらず、本人の確認や本人の手で預貯金の管理をする場合に認められます。

 

2-6.日常生活上必要な買い物

 

訪問介護にくるスタッフに買い物を頼める

同居、もしくは近隣に家族が住んでおり、買い物を頼める

町内の篤志家の人たちなどが買い物をしてくれる

というようなケースにあてはまる場合、原則として、「買い物のための利用」は認められるのが難しいものです。

 

ただし、

 

単身世帯である

僻地などであり、訪問介護の頻繁なサービスを期待できない

靴などのように、「その人本人が行かなければ買うことができないものである

などのようなケースの場合は、認められるケースが多いようです。

 

重要なのは、通院等乗降介助というのは、「通院等乗降介助を使わなければ、日常生活において著しい不具合が生じ、代替え手段がない」という場合に使われるものである、ということです。また、1か月前のケアプランのなかに、これを盛り込む必要があります。

 

3.通院等乗降介助に該当しない6つの具体例

 

通院等乗降介助はなかなか認められにくいもの。特に以下のケースでは、使用できません。

 

3-1.入退院や転院の送迎

 

これは一時的なものであるため、通院等乗降介助は認められません。

 

3-2.リハビリセンターへの送迎

 

デイケアやデイサービスの場合、その施設が送迎を担当することが当然であるため、対象となりません。

 

3-3.仕事

 

これも、「介護保険の目的」とは大きく異なるため、利用ができません。

 

3-4.親戚や友人宅への訪問

 

通院等乗降介助は、「日常生活を営む上で、必要であるから使えるもの」という性格を持っています。そのため、人との交流を目的とした「足」としては使えません。

 

また、このような場合、親戚などの送り迎えが可能であるというケースが多いから、という理由もあります。

 

3-5.冠婚葬祭やお墓参りへの送迎

 

これも、上であげた「日常生活を営む上で、必要であるから使えるもの」に合致しないため使えません。

 

3-6.日用品以外の買い物

 

「該当例」でも詳しく述べましたが、靴などのように、本人が行かなければ買えないものはあります。そのような場合は通院等乗降介助が認められることがありますが、「刺身を自分で選んで買いたい」などのようなケースは認められません。

 

 

4.通院等乗降介助の適用を受けるためには?

 

結論から言うと、通院等乗降介助は、とても受けるのが難しい介護サービスである、と言えます。

 

周囲に手助けとなる人がいない

定期的、もしくは日時が明確に定められる

ケアプランにしっかり組み込んである

代替手段がない

生活するうえで、欠かすことのできない

にしか認められない、と考える方がよいでしょう。